「断る」のが怖くなくなる!営業担当者が感謝する、心苦しくない相見積もりの終わらせ方

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「3社からアイミツ(相見積もり)を取って、一番良いところを選んで。あ、選ばなかった2社には君から断りの連絡を入れておいてね」

上司からそう軽く言われ、デスクで途方に暮れていませんか?

特に、こちらの要望を一生懸命に聞いてくれた担当者や、何度も足を運んでくれた熱心な営業さんに対して「今回はお断りします」と伝えるのは、胸が締め付けられるような罪悪感を感じるものです。「失礼なことをして、怒られたりしないだろうか」「せっかく仲良くなったのに、裏切るような気がする」……。

そんな優しいあなたに、まずお伝えしたいことがあります。ビジネスにおける「お断り」は、決して相手を傷つける行為ではありません。むしろ、正しい作法で断ることは、相手の貴重な時間を守る「プロとしての誠実さ」そのものなのです。

この記事では、15年にわたりビジネスコミュニケーションを研究してきた私が、営業担当者が「この人と仕事ができてよかった、また次の機会に提案したい」とすら感じる、関係構築型の断り方の極意を伝授します。

読み終える頃には、あなたの手元には完璧なメール文面が完成し、晴れやかな気持ちで送信ボタンを押せるようになっているはずです。


[著者情報]

田中 誠(たなか まこと) ビジネスコミュニケーション専門家 / 元大手商社営業部長 20年以上にわたり、数千件の相見積もりと発注・失注の現場に立ち会う。現在は企業研修講師として「相手を動かす誠実なコミュニケーション」を指導。
スタンス: 「断るのが辛い」と感じるあなたの優しさは、ビジネスにおける最大の武器になります。その優しさを「技術」に変えて、プロとして一歩成長できるよう全力でサポートします。

この記事の要約
相見積もりの断り方の正解は「迅速な連絡」と「提案への承認」です。早く断ることは相手の時間を守る誠実な行為であり、文面に感謝と具体的な選定理由を添えることで関係を維持できます。状況に応じた電話とメールの使い分けや、下請法・独占禁止法への配慮も不可欠。この記事でプロとしての断り方をマスターしましょう。


目次

1. 「断るのが申し訳ない」というあなたへ。実は「サイレントお祈り」こそが最大の失礼です

「返事をするのが心苦しいから、もう少し検討しているふりをして時間を稼ごうかな……」 もしそう考えているなら、今すぐその考えを捨ててください。

ビジネスの世界において、「相見積もり(アイミツ)」と「営業担当者の時間」は、切っても切れないトレードオフの関係にあります。

あなたが返事を引き延ばしている間、営業担当者は「まだ可能性があるかもしれない」と期待し、あなたのために追加の資料を作ったり、上司に状況を報告したりと、貴重なリソースを使い続けてしまいます。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 断りの連絡は、社内で結論が出た「その瞬間」に入れるのが、相手に対する最大の敬意です。

なぜなら、「断りの連絡を早めに入れること」は多くの人が見落としがちで、相手が次の見込み客にアプローチする時間をプレゼントすることと同じだからです。この知見が、あなたの成功の助けになれば幸いです。

田中 誠

なお、一般的な相見積もりにおいて、正当な理由なく発注を取り消すことは下請法上のリスクになり得るため、事前の条件提示が重要です。また、提示されたアイデアを無断で他社に流用することは独占禁止法等に触れる恐れがあるため、誠実な対応が求められます。


2. 営業担当者が「また提案したい」と思う断り方の極意:関係構築型のアプローチ

競合他社の記事では「事務的に、簡潔に断りましょう」と書かれていることが多いですが、私はあえて逆を提案します。「感謝」と「承認」をセットにした、関係構築型の断り方です。

ここで重要なのは、「相見積もり」というプロセスと「人間関係」を切り離して考えることです。アイミツはあくまでビジネス上の比較検討であり、お断りするのは「その提案内容」であって、「担当者本人」を否定するわけではありません。

🎨 営業担当者の心理を動かす「関係構築型」断り方の3ステップ

営業担当者に感謝を伝えつつ、明確に断るための3ステップ図解。

3. 【実践】そのまま使える!関係を壊さない断りメールのテンプレートと判断基準

さて、具体的にどう動けばいいのか。まずは、多くの人が迷う「電話か、メールか」の判断基準を明確にしましょう。

📊 相見積もりの断り方:電話 vs メールの判断基準

状況 推奨手段 理由・メリット
一般的な依頼・初対面 📩 メール 相手の時間を奪わず、記録に残る。事務的に処理できる。
何度も足を運んでくれた 📩 メール + ☎ 電話 メールで結論を伝えた後、電話で一言「熱意に感謝します」と添えるだけで 信頼が爆増する。
以前からの付き合いがある ☎ 電話 今後の関係性を考慮し、直接 誠意を伝えるべき。
相手が非常に熱心だった 📩 メール(丁寧め) 相手が感情的になるリスクを避けつつ、最大限の敬意を文面に込める。

罪悪感を払拭する「魔法のテンプレート」

親切にしてくれたB社の担当者に送る、角の立たないメール文例です。

件名: 【ご回答】〇〇導入の件につきまして(株式会社〇〇 佐藤)

株式会社〇〇 営業部 〇〇様

いつもお世話になっております。 株式会社〇〇の佐藤です。

先日はお忙しい中、弊社の備品入れ替えに関しまして 非常に丁寧なご提案をいただき、誠にありがとうございました。

〇〇様にご提示いただいたプランは、弊社の要望を深く汲み取った 素晴らしい内容であり、社内でも最後まで有力な候補として検討させていただきました。

社内で慎重に協議を重ねました結果、誠に残念ながら今回は 別の会社様との契約を見送らせていただくこととなりました。

〇〇様の迅速かつ誠実なご対応には、心より感謝しております。 今回はご期待に沿えず大変心苦しいのですが、〇〇様の熱意あるご提案に触れ、私自身も大変勉強になりました。 また別の機会がございましたら、ぜひお声がけさせていただきたく存じます。

本来であれば直接お伺いしてお伝えすべきところ、 メールでのご連絡となりますこと、何卒ご容赦ください。

貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。


4. よくある悩みQ&A:こんな時どうする?

Q. 断る理由は正直に「価格が高いから」と言ってもいいですか? A. はい、問題ありません。ただし「予算との乖離があった」とオブラートに包むのがスマートです。営業担当者は、理由が明確であれば「次はもっと安く提案しよう」と対策が立てられるため、曖昧にされるより助かるのです。

Q. 断った後に、しつこく電話がかかってきたら? A. 「社内で決定した事項ですので、覆ることはありません」と、毅然かつ丁寧に伝えましょう。一度「No」を明確に伝えていれば、それ以上の営業は相手にとっても時間の無駄になるため、深追いされることは稀です。


まとめ:あなたは「断る」ことで、プロの階段を一段登った

いかがでしたか?「断る」という行為が、実は相手への敬意に基づいたポジティブなアクションであることがお分かりいただけたでしょうか。

相見積もりは、より良いビジネスを生むための健全なプロセスです。今回、あなたが誠実にお断りを入れることで、B社の担当者は「佐藤さんは信頼できる人だ。次はもっと良い提案を持ってこよう」と、あなたをプロのパートナーとして認識するはずです。

さあ、先ほどのテンプレートを少し自分なりにアレンジして、送信ボタンを押しましょう。その一歩が、あなたを「仕事ができる若手」へと変えるはずです。


[参考文献リスト]

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